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IKIGAI

孤高の哲学について あるいは「幸せの翼が羽ばたく時」

ポリローグ

《ポリローグ》というのは新語です。これによって私が示したいと思ったのは、私たちを成り立たせている「ロゴス」が、ひとつの全体あるいは総体という首尾一貫性をもってはおらず、複数の論理(ロゴス)へと細分されているということ、それら複数の論理が、私たち一人一人を突き抜け、現代の世界を複数の記号象徴的実践で満たしているということです。実際、夢を見る《私》、赤ん坊のことばを想像する《私》、ヘーゲルを読む《私》、ジオットやアルトーを解読する《私》―――これら複数の《私》は、同じ私ではなく、同じことばを話してはおらず、同じ時間を生きてはいません。このような作業の一つ一つのなかに、さまざまな論理を呼び集めているのです。したがって、考える《私》という推定された首尾一貫性は、もろもろの意味生成過程から成るモザイクに取って代わられ、それによって私は意識の境界まで、フロイトが「無意識」と呼んだ別の舞台へと、導かれてゆくのです。

ジュリア・クリステヴァ著『ポリローグ』(白水社、1986年)3ページより